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アルツハイマー型認知症を発症したときのために知っておきたい「老人ホームの探し方」

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老人ホームの探し方と選び方

認知症を発症している65歳以上の高齢者人口は、『平成29年版高齢社会白書』によると2015年時点で約517万~525万人にも達しています。

今後もさらに増え続ける見込みで、団塊の世代が後期高齢者世代(75歳以上)とな2025年には675万~730万人、2040年には802万~953万人にまで増加する見込みです。

発症者数が年々増え続ける認知症ですが、そのうち約6~7割を占めているのが「アルツハイマー型認知症」です。記憶障害など典型的な症状に始まり、悪化すると徘徊などの症状をもたらします。そうなると介護負担が増え、家族による介護では対応しきれなくなることも少なくありません。

同居する高齢の親・親族にアルツハイマー型認知症が生じ、家族介護に限界が来たとき、選択肢の一つとなるのが老人ホームの利用です。高齢者介護のプロが常駐しているので、認知症高齢者をしっかりと見守り、生活をサポートしてくれる施設はたくさんあります。

ただ、認知症の方が老人ホームを探す場合「どこでもよい」というわけにはいきません。選び方や探し方には注意すべき点や押さえておくべきポイントがあります。アルツハイマー型認知症の方が入居先として選ぶべき老人ホームは、どのような施設なのか紹介していきます。

 

そもそもアルツハイマー型認知症とはどんな認知症?

認知症という言葉を聞くと「もの忘れがひどくなる」といったイメージを持つ人は多いでしょう。しかし「アルツハイマー型の認知症とは何か?」と聞かれると、いまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか。

認知症とは症状を表す言葉で、病名ではありません。ただ、認知症を発症させる原因となる病気があり、「アルツハイマー」という名前はこの病気の名前を表しています。
(参考:認知症対策!あなたの家族が認知症になったら・・・もしものために知っておきたいこと

アルツハイマー型認知症の原因とは?

認知症とは、脳内の神経細胞や神経伝達物質が減ってしまうことで発生する症状ですが、その原因となる病気にはさまざまな種類があります。

そのうちの1つである「アルツハイマー型認知症」は、脳内に「アミロイドβ」あるいは「タウ」と呼ばれる悪玉たんぱく質が蓄積し、それが脳内の神経細胞を圧迫・死滅させます。これが原因で起きるのが「アルツハイマー病」です。

ただ、諸説あるので現在の医学では「これがアルツハイマー型認知症の原因である」とは断定できないのが現状です。

アルツハイマー型認知症で現れる症状とは?

アルツハイマー型認知症は、進行性の認知症です。まずはもの忘れの悪化から始まり、「時間や場所が分からなくなる症状」「物事を順序立ててする行為ができなくなる症状」が現れます。

さらに症状が進むと、「物を盗まれたという妄想を抱くこと」「イライラして家族に暴言をはく」といったことがみられます。

これら認知症の症状は大きく「中核症状」「行動・心理症状(BPSD)」とに分かれます。中核症状は認知症発症者に共通してみられる症状です。一方、行動・心理症状は生活環境や家族との関係性によって軽く現れることもあれば、強く現れることもあります。

アルツハイマー型認知症の中核症状と行動・心理症状

中核症状と行動・心理症状(BPSD)に分類される症状の一例を紹介します。

中核症状の例

  • 数分~数時間前のことを覚えられない(記憶障害)
  • 財布や家の鍵など、大事な物の置いた場所を思い出せない(見当識障害)
  • 同じ話や質問を何度もする
  • 薬をきちんと飲めなくなる
  • 季節に合わせた服を着られなくなる
  • 仕事、家事の手際が悪くなる(実行機能障害)
  • 昔から通っている道で迷ってしまう

行動・心理症状の例

  • イライラしがちで、すぐに腹を立てる
  • 他に人がいないのに、誰かがいると言う(幻視)
  • そんな事実はないのに、自分のものが盗まれたと言う(もの盗られ妄想)
  • 目的も無く外に出て、歩いてどこかに行こうとする(徘徊)
  • それまで行ってきた日課を行わなくなる

老人ホームに入居するという選択肢

老人ホーム先を探す際のポイント

認知症は進行するにつれて中核症状が強く現れるようになり、さまざまな行動・心理症状もみられるようになります。

認知症有症者の介護は、老人ホームなどで働く介護のプロでさえ手を焼くことがあります。ましてや介護の知識やスキルの乏しい家族が介護をするとなると、介護負担の大きさゆえにトラブルが起こることも多いです。

アルツハイマー型認知症を介護することの大変さ

 

認知症初期の段階であれば、ある程度自分で身の回りのことができるので、家族介護者の負担もそれほど大きくありません。しかし症状が次第に進んでいき、行動・心理症状が強く出るようになると介護する側の負担は重くなります。

例えば認知症が悪化すると、食べ物でないものを口に入れようとする「異食」の症状が現れることがありますが、この症状が出ると介護者は片時も認知症有症者のそばを離れられなくなります。

徘徊などの症状が出たときも同様です。そうなると介護と仕事の両立は難しくなり、介護を理由に会社を退職する「介護離職」のリスクが高まります。

介護虐待や介護殺人・心中の恐れも

認知症が進行するにつれて、暴言や暴力をふるう症状やもの盗られ妄想などの症状も出ることが多く、介護者の心理的ストレスが限界になることも少なくありません。

その結果、「虐待」をするケース。あるいは介護生活に絶望し、介護者が被介護者を「殺害・心中」を図るというケースに発展する恐れもあります。

老人ホームへの入居を検討することも大事

介護者のストレスが限界を迎える前に、介護負担の軽減化を図る必要があります。そのための方法が、老人ホームを活用することです。

老人ホームには介護のプロである介護職員が常駐し、常時入居者の見守りを行ってくれるので、認知症の症状が出ていても安全に生活することができます。家族介護者も介護負担から解放されることになり、「介護離職のリスク・介護ストレス」による虐待などの恐れを解消することができるでしょう。

老人ホーム先を探す際のポイント【アルツハイマー型認知症の方用】

老人ホームの入居

アルツハイマー型認知症を発症している方の場合、どこの老人ホームでも入居できるというわけではありません。認知症の方を受け入れるだけの人員・設備体制が整っていない施設では、入居を断られることがあります。

それでは、アルツハイマー型認知症の有症者はどのような施設だと入居できるのでしょうか。そのポイントをいくつか紹介します。

アルツハイマー型認知症の有症者が入居できる施設

「老人ホーム」と一口に言っても、種類はたくさんあります。その中でも認知症の受け入れ態勢を高度に整えている入居施設は、「特別養護老人ホーム・介護付き有料老人ホーム・グループホーム」です。

特別養護老人ホーム

介護保険の要介護認定で「要介護3以上」の認定を受けている容体が重い方を入居対象としている公的施設です。多くの施設で認知症の方の受け入れ態勢が整っています。

グループホーム

「認知症を発症していること」が入居条件の施設です。入居者はすべて認知症の有症者で、認知症介護に特化しています。

介護付有料老人ホーム

一般企業も運営できる民間施設ですが、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、介護体制が高度に整っている施設です。一部のケアハウスやサービス付き高齢者向け住宅も、同様の指定を受けている施設があります。

特定施設を受けていない有料老人ホームは「住宅型有料老人ホーム」と呼ばれていますが、このタイプでも認知症の方を受け入れている施設はあるので、事前に問い合わせてみるとよいでしょう。

ただし、これらの施設でも認知症有症者の受け入れ態勢が整っているとは限りません。入居前に入居希望者の認知症の症状を伝え、入居できるかどうか確認しましょう。

入居者同士のトラブル・徘徊の症状が起こったときの対応を施設側に確認

 

認知症の方の場合、行動・心理症状により他の入居者とのトラブルが起きやすいです。「トラブルが起きないようにどのような対策を取っているのか、起こったときはどのように対処しているのか」、事前に施設側へ尋ねましょう。

さらに徘徊対策も質問し、認知症への対応力をチェックすることが大切です。入居者同士のトラブルや徘徊など、具体的な症状が起こったときの対策もチェックしてみてください。

認知症専門のフロアがあるかどうかを確認する

一部の特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、認知症の方だけが生活する専門のフロアを備えています。認知症介護に特化したフロアでは、認知症の入居者への見守り体制が強化されているほか、認知症の症状改善につながるケアが集中的に行われているのが通例です。

しかし、現状では整備されている施設が多くないため、場合によっては施設の場所が自宅から離れることにもなります。本人や家族の気持ちに配慮した上で施設選びをする必要があります。

おわりに

高齢世代のアルツハイマー型認知症は決して珍しいことではありません。高齢の親を持つ方は「もし認知症を発症したら、どのように介護していくか」について、早いうちから考えておくことが大事です。

アルツハイマー病は進行性の病気であり、症状が重度化するにつれて介護負担も増加していきます。親が認知症を患い、家族介護で手に負えないほど症状が深刻化したら、「老人ホームを利用するという選択肢がある」ことを覚えておきましょう。