介護・葬儀に関する「暮らしの」ブログ

親の「介護や葬儀」を中心として、親孝行や介護方法に触れていくブログです。【暮らしの。】というブログを通し、人生の終末期に差しかかる両親のサポート、介護に関わる方々を応援する内容にしていきます。

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介護離職は避けるべき!介護と仕事を両立させるためには?

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介護と仕事の両立

親を介護するために離職する「介護離職」の問題に注目が集まっています。近年ではNHKクローズアップ現代など、TVでもたびたび取り上げられる問題でもあります。

仕事をしている働き世代が親の介護に直面したら、介護と仕事の両立することになります。要介護状態の親と同居し、かつ大家族である場合であるならともかく、「親と二人暮らし」、「一人っ子」といった場合だと、「介護負担を子供が一人で担わないといけない」という状況も起こり得ます。

そうなると、親の介護のために「仕事を辞める・会社を退職する」という決断を迫られるわけです。介護離職をすると、親の介護に集中できる反面、収入の道が途絶えて経済的に不安定になるなど、さまざまな困難が生じます。

さらに仕事・職場で培ってきたキャリアを放棄することにもつながり、離職後に「こんなはずではなかった」という思いに駆られ、精神的に落ち込んでしまうというケースも少なくありません。

そこで今回は、介護離職のメリット・デメリット、問題点について取り上げ、「介護離職を避けるためべき」ということを解説していきます。

 

増え続ける介護離職の現状

介護離職はしないほうがいい?

現在、日本の高齢化率は27.7%(平成29年10月1日時点)に達しており、今後さらに上昇していくとみられています。高齢化が進んでいくと、要介護状態になる高齢者数も増え、介護に直面する子供世代が増えていくことも避けられません。

親の要介護度が軽度の段階であれば、介護と仕事の両立ができるでしょう。
しかし、次第に容体が悪化すると、常時介護者が傍にいる必要があります。そうなると介護負担が増え、仕事の継続が困難になり、結果として介護離職に陥ります。

年間約10万人いる介護離職者

厚生労働省の「平成29年就業構造基本調査」によると、「過去1年間に介護・看護のために仕事を辞めた人」は約9万9,000人。全国で年間約10万人もの人が介護離職をしているわけです。

男女の内訳をみると、男性が2万4,000人、女性が7万5,100人で、全体の7割以上が女性。要介護者の娘(あるいは息子の妻)が仕事を辞め、父母(あるいは義理の父母)の介護にあたるケースが多いと言えます。

介護に直面する年代は?

厚生労働省が公表した「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」によれば、親の介護に直面している人の割合は、40代で9.8%、50代で15.4%となっています。

40~50代というと社会で重要な役割を担う世代であり、特に男性の場合、会社では管理職や熟練技術者など、中核的な人材になっていることも少なくありません。辞める本人が大変なのはもちろんですが、辞められる会社側としても、貴重な人材・戦力を失うことになるわけです。

介護離職ゼロを目指す政府

こうした状況の中、政府は2015年11月に、「2020年代初頭までに介護離職ゼロを達成する」との政策目標を掲げました。「1億総活躍社会」の実現に向けた政策の一環として位置づけられ、介護サービスの充実化や介護人材の確保、介護に直面している人への介護休業の取得普及などに取り組んでいます。

ただ、それから2年経った2017年の時点でも、先に見た通り10万人近くも介護離職者がいるという状況です。

介護離職をすることで生じる「収入・再就職」の問題

介護離職

親の介護を理由に退職すると、介護に集中して取り組めるというメリットがありますが、深刻なデメリットもあり、介護離職をすることで生じる問題が数多くあります。

現在介護離職すべきか悩んでいるという人は、「離職後にどのような問題が起こりうるのか」、事前に認識しておく必要があるでしょう。親が倒れたからと言って、「介護をしないといけないから会社を辞める」とすぐに決断するのは危険です。

介護離職をすると収入源が立たれる

 

勤めていた会社を退職するわけですから、毎月の世帯収入が激減することは避けられません。それまで蓄えた貯金と、親の年金収入に頼って介護生活を送っていくことになります。

しかし、定年後の年金収入だけで「生活費・介護費用」を負担していくとなると、経済的に厳しいものになります。以下、厚生労働省「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照しました。

年金収入額(平均)

  • 厚生年金:平均受給額14万5,638円(男性16万6,863円、女性10万2,708円)
  • 国民年金:平均受給額5万5,464円

介護離職後は再就職も難しい

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の調査「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」によれば、介護離職をした994人のうち、介護離職後に再就職して正社員として働けているのは全体の49.8%。約半数にとどまっています。
また、「仕事をしていない」という人も24.5%います。これを見るだけでも親の介護後、社会復帰するのが難しいとわかります。

在宅介護生活で精神的に参ってしまうことも

介護離職してしまうと、社会との接点(会社に通うという形)が失われます。特に親子二人暮らしで在宅介護生活を送っている場合、介護者は被介護者とだけ接する生活になります。

さらに、介護生活の忙しさから友人と会う機会も減ってしまい、次第に社会から孤立していくことも少なくありません。また、介護負担の重さや経済的な不安定さから、うつ病など精神的な病にかかるケースもあります。

介護離職を避けるためには社会的資源を活用!

介護サービス活用方法

私が両親を介護していたとき、個人事業主という立場でした。仕事のバランスを自分で調節できる良さもありますが、介護に時間を費やす時間が多くなり、仕事の時間は減る一方になっていました。

このとき、ある意味「介護離職者」となっていたので、収入面での焦り・さまざまなストレスからメニエール病を再発してしまいました。

介護離職をすると収入の激減(経済的)、介護負担(身体的)、社会的な孤立(精神的)といった複数の深刻な問題に直面しかねません。世帯全体の困窮状態、介護者の心身状態が悪化するような事態になると、介護の質も低下し、被介護者の状態も悪化させることにもなります。

現在正社員として働いている人は、安易に介護離職の道を選ぶのではなく、できるだけ介護と仕事の両立化を図ることが必要です。では親の介護に直面したとき、仕事を辞めずに介護を続けていくにはどうればいいのでしょうか。

介護サービスを計画的に利用

 
 
 

介護離職を避ける上で基本となるのが、在宅介護を支えてくれる訪問介護(ホームヘルパー)や通所介護(デイサービス)など、各種介護サービスを計画的に利用していくことです。

介護保険適用のサービスであれば、利用時の自己負担額は所得に応じて1~3割で済むので、提供してもらえるサービスの質・量の大きさを考えると、費用面でかなりお得と言えます。

介護サービスを利用する際、親を担当するケアマネジャーと介護サービスの利用計画書である「ケアプラン」を作る必要がありますが、必ず「仕事と介護の両立をしていきたい」ことを伝えましょう。

ケアマネジャーの側も、仕事を続けたいという介護者の意向をくみ取り、仕事と介護の両立ができるよう利用計画を考えてくれます。

在宅介護で利用できる介護サービス一覧

訪問系介護サービス

  • 1訪問介護(訪問介護員による身体介護、生活援助)
  • 2訪問入浴(看護・介護職員が持参する簡易入浴設備で入浴できる)
  • 3訪問看護(看護師などが主治医の指示に基づいて療養上のサポートを行う)
  • 4訪問リハビリ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問し、リハビリを行う)
  • 5夜間対応型訪問介護(訪問介護員が夜間に介護を行う)
  • 6定期巡回・随時対応型訪問介護看護(訪問介護員による定期的な巡回、通報への対応を行う)

通所系サービス

  • 1通所介護(デイサービスセンターなどで食事、入浴など日常生活支援を受ける)
  • 2通所リハビリ(病院・診療所や介護老人保健施設に通い、リハビリを受ける)
  • 3地域密着型通所介護(定員19人未満のデイサービスセンターに通い日常生活支援を受ける)
  • 4療養通所介護(医師、訪問看護ステーションと連携した通所介護)
  • 5認知症対応型通所介護(認知症有症者の介護に特化した通所介護)

宿泊型サービス

  • 1短期入所生活介護(特別養護老人ホームなどで、最大30日まで宿泊する)
  • 2短期入所療養介護(介護老人保健施設あるいは医療機関で宿泊し、医療・看護サービスを受ける)

訪問型、通所型、宿泊型を組み合わせるサービス

  • 1小規模多機能型居宅介護(訪問サービス、通所サービス、宿泊サービスを1つの事業者が提供。登録できる定員は29名以下)
  • 2複合型サービス・看護小規模多機能型居宅介護(小規模多機能型居宅介護に訪問看護も組み合わせたサービス)

介護サービスだけでなく、「自治体が行っている高齢者向けの支援事業」、「介護ボランティア」、「民生委員」など、社会の中には在宅介護生活を支えてくれる「社会資源」がたくさんあるので、出来るだけ活用しましょう。

他にも、自分が仕事に行っている間、近所の方に親の見守りをお願いするなど、地域社会のつながりを活用することもオススメです。

介護休業制度は利用すべき!

 

親の介護をしていることを会社側に知らせないまま働き続ける「隠れ介護」をしている人は、約1,300万人に上るとも言われています。

会社に介護をしていることを伝えると、「介護で大変だから」という理由で責任あるポジションを任せてもらえなくなり、「昇給・昇進にも影響が出るかもしれない」と考える人が多いのです。

親の容体が軽い段階で在れば、隠れ介護でも仕事と介護の両立はできます。
しかし、重度の容体になってくると介護に要する時間が増えていくため、隠れ介護が限界になる恐れがあります。

親の容体が重いときは、会社側にその旨を知らせて、「介護休業制度」の利用を考えることも大事です。介護休業制度の利用を会社側に申し出れば、通算で93日(3回まで分割取得可)の介護休業を取ることができます。

93日間で親の介護が終わるとは考えにくいですが、休業中に在宅介護環境を整え、介護サービスの利用体制もきちんと整えれば、休業明けの仕事と介護の両立がしやすくなります。会社側に介護をしていることを知らせて、人事・待遇面に影響が出たとしても、「介護離職するよりはまし」と割り切る気持ちも必要です。

老人ホームを利用することも検討する

介護と仕事の両立に限界がきたときは、介護施設の入居を親に相談するのも一つの方法です。介護状態の親に老人ホームに入ってもらえば、子供の物理的な介護負担はゼロになります。

ただ、本人が施設入居を嫌がる場合もあります。入居費用も必要になるので、被介護者である親をはじめ、ケアマネジャーや親族も交えて、話し合いを重ねていく必要があるでしょう。

介護離職をして後悔しないために

 

介護離職者は全国で約10万人。政府が掲げる「介護離職ゼロ」についても、「今後本当に実現できるのか」疑問視する声が少なくありません。

しかし、親の介護のために退職すると「身体的・精神的・経済的なダメージ」を受けます。親のことだけでなく、自分自身の将来のこと、老後のことを考えると、社会資源を活用するなどして、介護離職をできるだけ避けるための工夫をすることが重要です。