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遠距離介護の費用をできるだけ抑える方法とは?

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介護費用を抑えるには?

「遠距離介護」という言葉をご存知でしょうか?遠距離介護とは、離れて暮らしている高齢の親が要介護状態となり、子どもが通いで介護をすることです。

ここで「遠距離」というとき、車で気軽に行けるような距離ではなく、航空機や新幹線を使うほど遠くに住んでいるということを想定しています。今回は、神奈川県(私)⇔岩手県(父親)の「遠距離介護」を例にお話しします。

それだけ離れていると、通うといっても本当に大変です。遠距離介護をしている人の多くは、平日仕事をしていて週末に帰省します。例えば東京から九州や北海道に住む親元に通うとなると、移動費だけで毎月相当かかります。 

私は介護のために神奈川県⇔岩手県を行き来していましたが、一回往復するだけで約3万円の費用が必要です。移動費でこれだけ掛かるので、雑費を含めると毎回4万円前後の出費がありました。

ただ、「遠距離介護」においても節約は可能なので、「遠距離介護でかかる費用をどうすれば節約できるのか?」という点について紹介していきます。今回の記事は、ANAの介護割引自治体の高齢者向けサービスを参考にしました。

 

遠距離介護にかかる費用とは?

遠距離介護というと「交通費がかかる」というイメージが強いのではないでしょうか。もちろん交通費の負担は大きいですが、それ以外にも遠距離介護ゆえの費用が必要です。それでは、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

やはり交通費の負担が厳しい

航空機や新幹線を使って親元に通うと、毎月の費用はかなり大きくなります。場所にもよりますが、一度の往復で数万円以上を覚悟する必要があります。私は半年間の「遠距離介護」をしてましたが、合計で約50万の交通費が掛かりました。

飛行機や新幹線で帰るといっても、空港や駅から自宅まで移動しなければなりません。田舎のほうでは、車がないとバスやタクシーの移動になり、実家の場所によっては、その部分の交通費も掛かります。

介護にかかる費用も大きい

遠距離介護の移動費用

遠距離介護にかかるのは、交通費だけではありません。同居して在宅介護をする場合と同様、介護そのものにかかる費用も必要です。遠距離介護は直接会うことができないので、見守りサービス・安否確認サービスの活用が求められます。

見守り・安否確認サービスは、「自宅のトイレや台所など日常生活の動線にセンサーをつけ、もし動きの反応がなければ家族に連絡がいく」という形態が多いです。近年では警備会社・ガス会社なども高齢者向けの見守り・安否確認のサービスを行うようになり、月々数百円~数千円かかります。

さらに、家族の介護者がそばにいない分、訪問介護や通所介護などの介護サービスの利用量を増やして生活を支えることも必要です。介護サービスだけで補いきれないときは、家事代行サービスなどの利用も検討しなければなりません。

住宅改修費も必要になる

 

親の一人暮らしで怖いのが屋内での転倒です。家族が同居していなければ、転倒して大怪我をしてもすぐに助けらせません。そのため、親が安全に家の中を移動できるように、手すりやスロープを付けるなど「バリアフリー改修」を適宜行うことが必要になります。

転倒してからでは遅いので、早い段階からリフォームをしておくことが大事です。家全体を直すことはないものの、やはりそれなりの改修費用がかかります。

遠距離介護で交通費を抑えるには?

遠距離介護で大きな負担となる交通費ですが、各航空会社やJRではさまざまな割引サービスを行っています。うまく活用することで通常の運賃よりも大幅に安くなるため、遠距離介護の費用を大きく抑えることができるでしょう。ただし、申請には別途手続きが必要となり、公的書類を提示する必要があります。

航空会社の介護割引を利用する

 

航空会社の中には、介護で帰省する人に対する運賃割引を実施している場合があります。ぜひ活用しましょう。現在(2018年現在)で割引を行っているのは、日本航空(JAL)、全日空(ANA)、スターフライヤー(SFJ)などです。

例えば全日空(ANA)の場合、割引なしの運賃介護割引後の運賃(2018年3月25日~2018年10月27日搭乗分)を比較すると以下のようになります。

割引なしの運賃

東京‐札幌間 36,200円~43,900円
東京‐仙台間 19,200円~26,800円
東京‐大阪間 24,000円~30,400円
東京‐福岡間 39,200円~48,000円

介護割引後の運賃

東京‐札幌間 24,000円~25,500円
東京‐仙台間 13,000円~14,550円
東京‐大阪間 16,150円~17,650円
東京‐福岡間 26,300円~27,900円

ただし、介護割引を利用する際は、どの航空会社でも以下のような書類が必要です。

必要書類

  • 要介護・要支援認定を受けていることを確認できる公的書類
  • 被認定者と搭乗者(介護者)との関係と現住所を示す公的書類
  • 搭乗者本人の顔写真

新幹線代を抑えるには?

 

JRは介護割引のようなサービスを実施していませんが、工夫次第で運賃を大幅に減らすことができます。その1つが、東海道新幹線と山陽新幹線で行われている「エクスプレス予約」です。

エクスプレス予約は、年会費(1,080円)を支払うことで、切符購入時に割引を受けることができます。さらに乗車日よりも早めに予約をすることで、運賃を大幅に減らせるサービスです。

例えば、乗車日の21日前までに予約することで受けられる「EX早特21」を利用した場合だと、割引額は以下の通りです。

割引額

  • 東京‐名古屋間:8,800円⇒普通指定席の通常期における運賃よりも2,290円安い。
  • 東京‐新大阪間:11,000円⇒普通指定席の通常期における運賃よりも3,450円安い。
  • 東京‐岡山間:13,000円⇒普通指定席の通常期における運賃よりも4,340円安い。
  • 東京‐広島間:14,000円⇒普通指定席の通常期における運賃よりも5,080円安い。

緑の窓口ではなく、JR専用のサイトで新幹線や特急列車の予約をすると、ネット限定割引を受けることができます。こちらも早めに予約するほど割引額が大きくなるので、介護で帰省するときは利用するとよいでしょう。

高速バスを利用するのもオススメ

深夜高速バスで交通費を浮かせる

深夜バスを利用することで、交通費を大幅に浮かせることができます。例えば東京-大阪間では1万円未満で移動できて、電車よりも数千円安くなります。

ただ、バスは長時間乗車する必要があるので、身体的な負担に注意してください。腰痛持ちの方は大変ですが、交通費を節約したいという方にはオススメです。私も深夜バスと新幹線を使い分けて移動していました。

交通費以外の節約方法

 

交通費だけでなく、工夫次第で介護にまつわる費用も節約することができます。ポイントは「お金のかからないサービスを少しでも多く利用すること」です。自治体を含め、地域社会の中には高齢者を支援する無料のサービスが数多くあります。

親が住んでいる自治体の地域包括支援センター、あるいは担当のケアマネジャーに相談し、どんなサービスを活用できるのかチェックすることが大事です。

自治体の高齢者向けサービスやボランティアサービスを活用する

遠距離介護を成功させるには、訪問介護や通所介護など介護保険適用の介護サービスを利用し、それ以外にもさまざまなサービスを活用していくことが大切です。

注目すべきは自治体が提供している高齢者向けサービスです。「おむつの支給や配食サービス・認知症高齢者へのサービス・一人暮らし高齢者への安否確認サービス」など、自治体ごとに独自の福祉サービス事業を展開しています。

自治体のサービスは、無料もしくは格安で利用できるので、遠距離介護をしている場合はぜひ活用したいところです。さらに地域のボランティアサービスを利用することも検討しましょう。

在宅介護をサポートしてくれるボランティアに来てもらうと、遠距離介護の負担を大きく軽減できます。各自治体内の社会福祉協議会や最寄りの地域包括支援センターなどに相談してみてください。

遠距離介護の費用は親のお金を!

親の介護をするというとき、意外と多いのが「子どもが自分のお金を使って、親の介護をする」ということ。
しかし、「親の介護費用は親自身が負担する」と思ってください。遠距離介護をしているなら、必要となる交通費や各種費用についても、負担してもらえるようお願いすることが大事です。(参考:親の介護費用にはいくら必要?知っておくべきお金のこと

遠距離介護を始めるにあたって、親の「預貯金額・年金収入」の現状を教えてもらいましょう。それをもとに帰省回数や介護サービスなどの利用量を決めていくようにすると、子どもの経済的負担を抑えることができます。

ご近所・地域社会の力を借りる

 

実家の親は、長年にわたって近所づきあいを続け、隣近所や町内会などと親密な関係ができていることが多いものです。遠距離介護をするときは、それら地域社会の関係性を活用することも重要です。

近所の方には、定期的に安否確認や声掛けをするようにお願いしましょう。そうすれば安否確認サービス(民間企業)の利用量を減らし、費用削減につなげられるでしょう。

また、親が要介護状態であることを民生委員や自治会に話し、生活上のサポートをしてもらえないか相談すると、ゴミ出しの協力などさまざまな支援を受けられる機会にもつながります。

おわりに

遠距離介護というのは心身ともに疲れることが多く、お金の負担も掛かります。今回の記事は、私の体験談から得た「負担を減らす方法」となるので、これから遠距離介護をする方の参考になれば嬉しいです。